環境保全機運の高まりから廃棄物をリサイクル
する動きが活発化するなか、環境庁は、リサイクル
製品から溶け出す可能性のあるカドミウム、鉛、ヒ
素などの人体に有害な金属類について、一定の基
準を設ける方向で検討を開始しました。特に建設
業界でリサイクルされている鉱宰、石炭灰、焼却
灰、汚泥、建設廃材などを当面の対象に調査を行
い97年度中には調査結果をまとめ、早ければ98
年度にもリサイクル原料の溶出基準としてガイド
ラインを設定する方針です。先行きは普及の見込
まれるリサイクル建材にも対象範囲を広げること
としています。
現在、リサイクル製品などに含有する物質への基
準はなく、建設業界では多種の産業廃棄物が道路
舗装、骨材、セメント、れんがなどに取り込まれて
おり、環境庁が、それらの廃棄物に内包される金属
類が環境や人体に与える影響を踏まえて溶出濃度
基準を設定すべきと判断したものです。対象は排
出量が多いうえ、加工工数が少なく環境に触れや
すいものとして鉱宰(鉱炉スラグ、非鉄スラグ)、石炭
灰、スラグ化した焼却灰、下水汚泥、建設灰材な
どを挙げています。これらを地域や品種別に分け
て溶出試験を繰り返し実施、影響調査をまとめる
としています。
資料:日刊工業新聞、3月5日号
環境分析センタ− 石澤
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