厚生労働省は以前から改正案を出して来ていた鉛の新水道水質基準を平成15年4月から施行する方針としました。 これにより 鉛の水質基準 「0.05 mg/L以下→ 0.01 mg/L以下」となります。

 鉛はその毒性が体内に蓄積されやすく、腎臓障害を引き起こしたり、最近では動物実験での発がん性も指摘され ています。また、長期的に蓄積されることからも、現行の基準値を定めた平成4年に、おおむね10年後を長期目標と して世界保健機関(WHO)のガイドラインの指針値である0.01mg/L以下となるようにと、水道事業者への鉛管の布 設替えやpHコントロールなどの対策を指導してきました。しかし実際には、約10年間での鉛管の布設替えは全 体の3割程度に留まっております。住宅敷地内の給水管は一般には私有財産とされているため、交換費用が利用 者負担となってしまうことからも、全世帯での交換は困難と考えられています。そこで、自治体等では、鉛が高 濃度となる朝一番の水は、飲料に使用せずに洗濯水などに使用するよう等の指導をしています。

 厚生労働省では、今後は「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令」と「水道施設の技術的基準を定め る省令」の鉛についても改正を検討していきます。

 

                               


資料:2月14日付 日本水道新聞、 pp.1-3、
同日付 埼玉新聞、 p. 2

衛生検査課 松本かおり


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