有害化学物質による土壌汚染の調査結果を環境省がまとめました。99年度に環境基準 を超過した汚染事例は117件に上り、98年に次いで過去2番目と多く、深刻な土壌汚 染の実態が浮き彫りになりました。調査対象は、47都道府県と水質汚濁防止法の対 象となっている82市の計129自治体。その結果、各自治体が土壌汚染の恐れがある とした土地290件のうち117件から環境基準を超える汚染物質が検出されました。
物質別では、半導体の洗浄やクリーニングなどに使われたトリクロロエチレン (47件)とテトラクロロエチレン(37件)が多く、重金属では鉛(30件)、ヒ素(23件)が 目立ちました。これらの複合汚染事例も10件。過去に判明した超過事例を含め、汚 染原因物質の不適切な取扱いによる漏洩が断トツの原因です。
土壌汚染は同省が1月改正した「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」の浸透の ほか、工場跡地の再開発に伴う調査などで発見されるケースが急増し、問題化して います。このような事例の多くは「昭和50年代、40年代の事例」とのことですが、農地 を除いては、市街地の土壌汚染を規制する法律はなく、同省は学識経験者らで構成す る検討会を設置し、法規制の導入も視野に対策を探っています。
資料:4月18日付 化学工業日報・日本経済新聞、
同19日付 日本工業新聞
分離分析課 高橋真朋子
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