1998年に策定された内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン) 戦略SPEED98でリストアップされた化学物質は、内分泌かく乱作用が 必ずしも明らかでなく、あくまでも今後優先して研究調査を進めてゆ く対象として選定されました。しかしこれまで埼玉県では、同リスト が内分泌かく乱物質そのものであると誤解を招いているとしつつ、こ れらの物質が県内の環境中においてどんな状況にあるのか、その実態 を調査してきました。
このたび埼玉県は、内分泌かく乱化学物質問題に対する具体的対応 方針として「埼玉県における内分泌かく乱化学物質問題に関する取組 方針」をまとめました。県の方針における取組内容としては、県庁内 の関連組織から成る埼玉県内内分泌かく乱化学物質問題連絡会議を継 続し、@実態の把握、A化学物質の適正管理等の推進、B研究の実施、 C県の率先実行、D情報収集及び提供の5点をあげています。
実態調査においては、発生源の推定も含む水環境調査を行うほか、 大気、土壌、ヒトの口に入るもの(農産物、魚介類など)、野生生物等 への影響実態調査、食器類等への表示状況調査なども行います。
化学物質の適正な管理等の推進としては、内分泌かく乱物質をはじ めとする化学物質を扱っている事業所に対してPRTR法の施行及び「 埼玉県化学物質環境安全管理指針の普及啓発並びに化学物質の安全管 理を推進するための条例」を制定し、環境中への化学物質の排出量削 減などの適正管理の推進を指導するとしています。また内分泌かく乱 化学物質の基本事項、国などの調査結果、学会などでの研究発表と諸 外国での知見、県における実態調査などをホームページに掲載し、広 く県民に周知するとしています。
資料:2月16日付 化学工業日報
分離分析課 金子 圭介
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