中央環境審議会は昨年12月26日、土壌の汚染に係る項目追加に関する環境基準を 環境庁長官に答申しました。この答申では水質浄化、地下水かん(涵)養機能保全 の観点から、環境基本法に基づく土壌環境基準(地下水への溶出基準)にフッ素とホ ウ素を追加することを提言し、設定する環境基準はフッ素0.8 mg/L以下、ホウ素1 mg/L 以下が適当としました。これを受けて、環境庁は同庁告示の改正手続きに着 手し、早ければ今年2月、遅くも年度内には土壌環境基準が設定されます。
これは、99年7月に環境庁長官から諮問され中環審の土壌農薬部会で検討を行っ てきたもので、フッ素・ホウ素の土壌環境基準適用に当っては陸域より濃度レベルの 高い海水の影響(海域隣接土壌)など自然的要因が予想される場合には、これを考慮 して個別の事例ごとに総合的に評価すべきとされ、フッ素を含むスラグ、ホウ素を 含む石炭灰などを土木・道路資材・肥料などに再利用する際の基準適用範囲、考え方 も整理しています。
一方、同様に土壌環境基準の設定を検討してきた硝酸性・亜硝酸性窒素については 土壌中に蓄積されないなど、土壌環境基準を定めている他の有害物質とは異なって おり、一律に土壌環境基準を設けることは技術的にも困難で、土壌環境基準にはなじ まないとしていますが、施肥については、地域の条件に応じて土壌中の窒素成分の挙 動に基づく土壌管理を推進する必要があるとしています。
資料:1月5日付 化学工業日報
化学分析課 中瀬 希
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