環境庁の内分泌攪乱化学物質問題検討会のミレニアム・プロジェクトでは、 内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)の化学的知見を集積、適切な対策 を講じる目的で、今年度から3年計画で内分泌かく乱作用が疑われている40種 類の化学物質のリスク評価を行うことにしています。このプロジェクトで今年 度、優先的に実施する対象物質を決定しました。トリブチルスズ、4-オクチ ルフェノール、ノニルフェノール、フタル酸ジ-n-ブチル[以上4物質はA物 質]、オクタクロロスチレン、ベンゾフェノン、フタル酸ジシクロヘキシル の7物質です。なお、選定基準はあくまでも文献調査結果などによるもので、 有害性の有無や程度は今後、判明することになります。
n-ブチルベンゼン、ポリ臭化ビフェノール(PBB)、スチレン2量体(ス チレンダイマー) および3量体(スチレントリマー)についても検討されま したが、n-ブチルベンゼンは文献などの情報が少なく内分泌かく乱作用 との直接の関連が不明確なため保留とされ、今年9月にも対象物質とする かを判断するとしています。また PBB は緊急対応の必要性が薄く、PCB とともにリスク評価する必要があり、来年度以降の実施とされました。
一方、スチレンダイマー・同トリマーについては、現時点で「著しく高い リスクを有するとは考えられない」として対象物質からはずしたというこ とです。
資料:7月24日付 化学工業日報、 8月 1日付 環境庁分離分析課 高橋真朋子
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