環境庁は、専門家による「土壌の含有量リスク評価検討会」を新たに立ち上 げ、土壌に含まれた重金属など有害物質の直接摂取(摂食、皮膚接触)による リスク評価の検討に着手しました。

 土壌汚染に関連する環境基準は、地下水の汚染防止に着目した溶出基準お よび農作物への蓄積、または生育障害に着目した農用地基準として25項目に ついて定められています。一方、有害物質を含有する土壌の直接摂取に関し てはダイオキシン類を対象とする環境基準が設定され、今年1月から適応さ れています。しかし、ダイオキシン類以外で土壌から直接摂取した際の健康 に及ぼす影響の目安となる環境基準は整っていません。

 そこで同検討会では当面、含有量の参考値が設定され調査事例が集積され ている水銀、カドミウム、鉛、ヒ素の4物質を対象とし、ダイオキシン類基 準などを踏まえて土壌の直接摂取によるリスク評価を実施、土壌中の含有量 による環境基準を設定する必要性も含めて検討することになりました。また 現在、溶出基準が設定されていたり、海外やPRTR法などで優先的に取り組ま れている物質についても今後、検討対象とすることにしています。

資料:環境庁報道発表資料(6月19日付、水質保全局扱)、
土壌の含有量リスク評価検討会(第1回)の開催について。
6月21日付 日刊工業新聞、6月23日付 化学工業日報

   環境技術研究室 坂田 旭子


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