建材などから発生する化学物質で屋内の空気が汚染される「シックハウス 問題」で、厚生省の検討委員会は、トルエンなど3物質の室内濃度指針値お よび検査のための採取・測定方法を定めるガイドライン案をまとめました。 6月にも正式に決定する方針です。
ガイドライン案は遺伝子障害性などについてのヒトに対する影響調査や、 動物への投与実験などで得られた最近の知見を参考に、策定しています。 1立方m当りの指針値を、トルエン260μg(0.07ppm)、キシレン870μg(0.2 ppm)、パラジクロロベンゼン240μg(0.04ppm)と設定しました。ホルムア ルデヒドについては、1997年に100μgと定められています。
3物質の測定方法については、固体捕集-溶媒抽出法、固体捕集-加熱 脱着法、容器採取法のいずれかの方法により空気を採取し、いずれの採 取法もガスクロマトグラフ質量分析計と連動した装置によって測定する としました。
また政府、自民党は、化学物質の使用が少ない住宅づくりや原因と治 療法の研究などを柱とした緊急対策をまとめました。この対策は、建材 などに使われた化学物質の使用量や種類の表示などを、日本工業規格(JI S)に盛り込むなど、汚染源の情報公開を進めるのが特徴です。
これらの対策を受け、厚生、建設、通産、農水、労働の各省は、指針 値を策定する化学物質を増やす、ホルムアルデヒドの放散量を表示すべ き対象品目として集成材・単板積層材・構造用パネルを追加するなどの 具体案を検討しているということです。
資料:4月28日付 日本経済新聞分離分析課 高橋 真朋子
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