神奈川、千葉、埼玉の3県 がこのほど、2001年度の地下水水質測定結果をまとめました。それによると、SIDS(乳幼児突 然死症候群)の原因物質とされる硝酸性及び亜硝酸性窒素が神奈川241地点中12地点、千葉264 地点中32地点、埼玉170地点中20地点の計64地点で、環境基準値10 mg/lを超過していることが 判りました。そのうち千葉では、最大検出値58 mg/lでした。また千葉県の検出率が前年度比 1.8ポイント増加していることも明らかになりました。

 過去に硝酸性・亜硝酸性窒素の超過事例がある井戸で実施されている定期モニタリング調 査でも基準値達成率は低く、神奈川10地点中6地点・埼玉52地点中44地点・千葉15地点すべてで 基準未達成の結果となりました。

 硝酸性・亜硝酸性窒素が原因と見られる発症者は日本ではまだ知られていませんが、アメリ カ合衆国やヨーロッパでは以前から多く報告されてきています。また、硝酸性・亜硝酸性窒 素の基準値は、環境基準の他の項目とは異なり、長期ではなく短期の暴露を念頭において設定 された基準であるとも言われています。

 またその他の項目では、神奈川[シス-1,2-ジクロロエチレン1地点、トリクロロエチレン6地 点、テトラクロロエチレン2地点で]、千葉[鉛1地点、ヒ素7地点、フッ素1地点で]、埼玉[鉛1地 点、ヒ素3地点、トリクロロエチレン2地点で]基準値超過が報告されています。


資料:10月16日付 環境新聞、 6面
社団法人日本水処理環境学会編「硝酸・亜硝酸性窒素汚染対策にむけた新たな展開」pp.12-13

化学分析課 辰巳 和子


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