環境省は2月23日、廃棄物処理法を2003年の通常国会で抜本改正する方針を固めました。有価で取引されているリサイクル可能物や他の法律で規制して いる有害物質を新たに同法の対象に加えるなど廃棄物の定義を拡大、リサイクル促進と不法投棄を防ぎ適正な処 理を進める考えです。3月中旬に中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会がこれらの考えを盛り込んだ中間報告を まとめ、年内に答申する予定です。

改正の焦点は廃棄物をテレビなど家電4品目のように生産者が廃棄まで責任を持つ拡大生産者責任(EPR)の 考えを新たに盛り込むこと。また現状処理責任で2分類している廃棄物を処理責任や安全性などから生活系、事 業系、有害性、リサイクルの各廃棄物に4分類することも視野に入れています。ただし、市町村処理の事業系一 般廃棄物を事業者処理の事業系廃棄物にすることやEPR導入は、新たな処理費用負担を求めるだけに経済界から 反発が出ることは必至です。

素案では、廃棄物の定義は現在、物の性状や取引価値の有無、占有者の意思などを総合的に判断する「総合判断 説」で、不要な物かどうかを見極めています。しかし、取引価値の有無などの各判断要件の基準が不明確なために、 不適正な処理が後を絶たない状況です。そのうえで、@各判断要件の基準を、個別事例ごとに明確化する、 Aリサイクルが可能な物も生活環境保全の観点から、同法の規制対象とする、B土壌も本来の目的の土地造成 に利用されなかったり、汚染土壌のために処分する場合は廃棄物とする、など、見直す方向性を打ち出しています。

 資料:2月24日付 埼玉新聞、p. 2
2月25日付 日本工業新聞、p.13
2月26日付 化学工業日報、p.14

環境分析センター 石澤 牧子


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