厚生労働省はシックハウス 対策で、新たに4物質に室内濃度の上限を示す指針値を導入します。指針値はこれまでにも8物 質に定められており、12物質に対象が広がることで住宅業界は厳しい対応を迫られそうです。 指針値を新設するのはプラスチックを軟化する添加剤(可塑剤)としてビニルクロスなどに入れ られる「フタル酸-2-エチルへキシル」のほか、接着剤や塗料の溶剤として使われる「テトラデカ ン」と「ノナナール」、殺虫剤として室内で利用する「ダイアジノン」の4物質です。
フタル酸は、精子の働きに異常が出るなど生殖機能に影響するほか、大量に吸い込むと神経 系へも影響するといわれている物質です。また、テトラデカンとノナナールは、98年度に厚生省 が実施した調査で、室内濃度の最大値がそれぞれ 1114 μg、421μg と高濃度で検出されました。
一方ダイアジノンは、有機リン系殺虫剤として国内3位のシェアを占めており、米国では EPA(環境保護庁)が食品品質保護法に基づいて段階的に禁止することを決めている物質です。 ダイアジノンの室内向けの製品は、全米で2002年末に販売禁止となるものです。
これらの物質の基準値は 1 m3 の空気中の濃度という形で示され、今夏にも指針値が設 定されるということです。
資料:3月16日付 日本工業新聞
分離分析課 高橋 真朋子
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