東京湾・ 伊勢湾・瀬戸内海の汚染防止のため、窒素とリンの総量規制基準の設定方法 を検討していた中央環境審議会は10月19日、3海域の関係20都道府県が独自 に決める規制値の目安となる排水濃度基準の範囲を、下水道業や肥料製造業 など232業種ごとに定めた答申をまとめました。
これら3海域については、1979年以来4次にわたってCOD(化学的酸素要求 量)の総量規制を実施してきましたが、CODのみならず窒素・リンの環境基 準の達成率(東京湾50%、伊勢湾42%、瀬戸内海81%)は低く、富栄養化に よる赤潮などが頻発しています。
この答申は第5次水質総量規制の目標年次である2004年度までに、新たに窒 素・リンを総量規制の対象に加えるとともに、CODについてもパルプ、石 油化学、発酵工業などで規制基準を強化するように求めています。 答申では、たとえば下水道処理施設から出る排水の窒素含有量を1L当り 10〜40 mg 、リン含有量を同 1〜4 mg の範囲に設定しています。また、答 申を受けて環境庁は基準範囲を告示する予定で、都道府県が実際に規制を 始めるのは 2001年度になる見通しです。
資料:10月20日付 日刊工業新聞、日本経済新聞
化学分析課 中瀬 希
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