通産省 は8月10日、来年度内に住宅建材の日本工業規格(JIS)を見直す方針を明 らかにしました。社会問題化している室内化学物質汚染対策の強化を目的と し、JISを取得する際の条件となる濃度基準物質に、シックハウス症候群の原 因物質である従来のホルムアルデヒドのほか、新たにキシレン、トルエンなど 揮発性有機化合物(VOC)を追加します。また、扉や断熱材、畳、建具など最 低4品目をJIS対象に加え、品目数を2倍に増やす考えです。

 現在、JIS規格が設定されている建材は、「壁紙」・「壁紙に使う接着剤」 ・「パーティクルボード」・「繊維板」の4品目です。建材メーカーが自社 製品についてJISを取得する際は、強度や材料密度のほか、化学物質について は部材から室内へのホルムアルデヒドの放散濃度基準を満たす必要がありま す。今回、厚生省がトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンの3物質に ついて指針値を決定したことを背景に、通産省はJIS規格でも同様の基準が 必要と判断し、さらにこの測定法もJIS規格で定めることにしました。現在、 ホルムアルデヒドの基準は3段階で、E0(0.5 mg/l)、E1(1.5 mg/l)、E2(5.0 mg/l)となっています。VOCについても同様に3段階の基準を設定する見通し です。

 さらに、農水省の日本農林規格(JAS)で定める部材についても何らかの対 策が必要となり、JASは今年8月に対象品目を従来の合板・床材(フローリン グ)5品目から12品目へと拡大、濃度基準もJIS規格に合わせて厳しくなりま したが、「VOCの基準設定は今後検討する」(農水省食品流通局品質課)とし ています。

資料:8月11日付 日本工業新聞

環境技術研究室 坂田 旭子


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