環境庁 は平成10年度の河川、海域および湖沼などの公共用水域の水質測定結果を発表 しました。環境基準の達成率は、全体で77.9%と前年度(78.1%)からほぼ横 ばいで推移しており、汚染の改善が進んでいない実態が明らかにされました。 調査は全国の3,258水域,7,290地点で、河川についてはBOD、湖沼,海域に ついてはCODが測定されました。
河川は、平均で81.0%の達成率(前年度80.9%)でした。しかし、大阪府の 樫井川で32 mg/L,香川県の弁天川で24 mg/Lなど、一部でBODの高い水域 がみられましたが、着実に達成率が向上しています。 一方湖沼では、特に環境基準達成率が低く、平均で40.9%(前年度41.0%) と依然として、かけ離れて低い水準のまま推移し続けています。湖沼の高濃 度ワースト3は1位から順に千葉県の手賀沼(19 mg/L),同県の印旛沼(10 mg/L),岡山県の児島湖(9.9 mg/L)となっており、ベスト1は北海道の 倶多楽湖(0.70 mg/L)でした。さらに湖沼の全窒素および全燐の達成率は 前年度の42.6%から38.3%(60水域中23水域で達成)へと後退し、下水道を はじめとする各種対策の推進にもかかわらず、その改善の難しさが浮き彫り となっています。
また海域の達成率については73.6%で前年度(74.9%)と同程度で推移し ており、全窒および全燐の達成率は海域が新たに当嵌め水域となった水域の 達成率が高かったことで、前年度の55.1%から70.5%(112水域中79水域で 達成)へと大きく前進しました。
資料:平成11年12月13日付 日本水道新聞、15日付 環境新聞
環境計量課 竹下 尚長
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