経済産業省は2002年度の環境政策の重点として、土壌・地下水汚染対策を実施する考えです。 土壌・地下水汚染問題の、企業や自治体が公表している汚染事例はごく一部に過ぎないとさ れています。このため汚染実態を把握すると同時に、汚染の度合いの測定技術開発、浄化修 復事業や修復技術開発、汚染土地の跡地使用と修復のランク付けなどさまざまな問題を検討 していく方針です。

また、環境省の99年度の土壌汚染調査によると、溶出基準を超過したのは117件で、引き続 き高い水準でした。現実には公表された土壌・地下水汚染件数は、明らかに過小であるとも いわれています。現在、土木技術、化学分析技術、微生物を使うバイオレメディエーション技 術、さく井技術などをもつエンジニアリング、プラントなど各種企業が独自に修復事業に名 乗りを挙げており、ニュービジネスとしての可能性も広がっています。経済産業省では早け れば今年度中か来年度には土壌・地下水汚染対策に関する研究会(勉強会)を立ち上げ、来年 度の概算要求に組み入れる予定でいます。

環境省では土壌汚染物質の拡散メカニズムを解明するための基礎調査を近く開始する予定 です。模擬汚染土壌を用いて土壌汚染物質がどう飛散・流出するかを解明するとともに、実 際の汚染地での拡散状況の実態調査を実施し、拡散・流出による二次被害を防止するための対 策を検討していく予定です。

VOCは土壌から蒸発して移動し、重金属類なども表層に存在するものは雨などで流出して二 次汚染を引き起こす可能性があるとされています。しかし、これら土壌汚染物質の拡散の実態 や機構については十分な知見が得られていません。このため環境省では土壌汚染物質の拡散 メカニズムについて、基礎調査を開始することにしたものです。対象物質は現行の土壌環境基 準で定められている24物質を基本とするとしています。 資料: 平成13年4月12日付 日本水道新聞


資料:5月24日、25日付 化学工業日報

元素分析課 岡田 伸美


          
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